中学硬式野球のクラブチームは、野球少年が初めて触れるプロに近い実力主義の世界ですよね。毎月チームに部費を払っても、父兄がいくらチームを手伝って貢献しても、実力が伴ってこないと与えられるチャンスは自ずと少なくなってきます。もちろんこれはチームによって差がありますが、大半のチームが現実的にそうなっている事と思います。
これはまだまだ芽がでない小学校を卒業したばかりの選手には辛い現実ですが、初めて自分は何を武器にアピールしたり、勝負したりするか考えるいい機会でもあります。真っ当な指導者であれば、何であれ特徴のある選手ならどこかでそれを生かそうと考え、必ずチャンスを与えようとします。
ではどんな事が武器になるんでしょうか?人より声が出る事、肩が強い事、ボールへのコンタクトがうまい事、などなど・・野球において武器になるものはたくさんあれど、中学硬式野球ではどうでしょうか?
端的に言うと最も好まれるのは「柔らかさとスピード」を併せ持つ選手が最も好まれるタイプですよね。プロ野球で言うと福岡ソフトバンクホークスの今宮選手のようなタイプで、守る、投げる、打つ、走る、どれにでも高い能力を持つ選手のタイプ。特にスピードについては、毎年甲子園球児の中に「陸上競技のインターハイで全国◯位」のような選手がいるように、足が早いと言うことは高校球児にとっては最低条件になりつつあります。
最近はキャッチャーでも比較的スリムでスピードのある選手が多いように、全体的にバネが強くてスピードのある選手が基本となりつつあります。しかしまだまだ中学生ですから、まずはどれか一つあれば十分アピールできるポイントはありますし、指導者もそれをなんとか生かす指導を考えてくれるでしょう。
本当になんでもいいと思います。誰よりも声を出し続けられる選手は、それだけの真摯な姿勢があれば、間違いなくどこかプレーの向上にも反映してくるものだと思いますし、ボールを捕る技術や当てる技術、回転を与える技術など、どこか光るものを見つけられれば、必ず指導者は見つけるはずです。ただし、3年間しっかり続けられる事が最低条件です。
いずれにしても、自分の武器やポジションを意識して、それをアピールして野球をやっていく事が、高校野球に入ってからの競争に勝ち抜く訓練となり、中学硬式野球では幼いながらも求められる事だと思います。